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Blog「ギターもウクレレも」

クラシックギターとウクレレを演奏したり教えたり。逗子 横浜 渋谷 宮崎台。一人でも多くの方に楽器の楽しさを知ってもらえるように奔走中!

映画と演奏⑩『時計仕掛けのオレンジ』より”ベートーヴェン第9の行進曲”

2018.12.31
第10回『時計仕掛けのオレンジ』より"交響曲第9番より行進曲"


久しぶりの映画更新です^_^
第10回目は『時計仕掛けのオレンジ』から"交響曲第9番より行進曲" を紹介します。



スタンリー・キュブリック監督の1972年の映画。

めちゃバイオレンス作品なので、ここで紹介するのをためらうのですが、
年末で第9を弾きたいので紹介しちゃいます笑

ブログを見てくれている方も「佐藤さん、時計仕掛けのオレンジ見ましたよ!」とは話し掛けにくい内容です。

鑑賞はあまりオススメしないです笑



【超あらすじ】
舞台は近未来のロンドン。

ベートーヴェンをこよなく愛する15歳のアレックスをリーダーとする少年4人組“ドルーグ”は、日々様々な暴力行為(ウルトラヴァイオレンス)を行い自身の欲求を晴らしていた。

ある日、強盗に出向いた先でアレックスは仲間の裏切りによって1人、殺人罪で逮捕されてしまう。

14年の刑期を言い渡されたアレックスは早期出所の為、暴力行為や今までの嗜好に嫌悪感を覚える”ルドヴィコ療法”の被験者に志願して出所する。

治療により”まとも”な人間として更生して出所したのだが、過去に起こした数々の暴挙の因果が彼を取り巻く....



【曲のシーン】
"交響曲第9番より行進曲"が最初にかかるのは映画の序盤、アレックスが1人でレコードショップに繰り出し女の子をナンパするシーンです。

スク57

ここで使われる第九はオーケストラではなく、ヴォコーダーと言われるシンセサイザーでアレンジされているものです。

YouTubeの参考音源はコチラ!

このアレンジが映画の世界観に非常にマッチしていて良いんです。

クラシックにデジタルをぶつけてきた事に痺れます。



【演奏】


ベートーベンの第9ですが、今回はあの有名な”歓喜の歌”ではなく”行進曲”です。

この曲は第4楽章の真ん中あたりに登場します。

僕は学生の頃、合唱で第九に参加した事があるのですが、その際初めてこの行進曲を聞いて一発で虜になりました。

というのも、この行進曲が登場するまで合唱隊は長時間(ほんとに長い!)待たされるのですが、この行進曲のキャッチーさが長時間待たされていた疲れを見事に癒してくれるんです。

まさに飴と鞭。

第九の飴と鞭作戦?により、合唱に参加する誰もがすっかりこの曲を好きになってしまうハズです。(多分)

いわば洗脳です。

原曲ではテノールの力強い歌唱とトライアングル入りのちょっとユニークなオケが特徴的な曲です。

今回は原曲のオーケストラではなく、映画のヴォコーダーによるアレンジの可愛さを意識してウクレレで弾いてみました^_^



【まとめ】
■ナッドサット言葉
『時計仕掛けのオレンジ』はとにかく色々と問題作です。

その一つがナッドサット言葉と呼ばれる作品独自の造語があります。

例えば「ガリバー痛がする」なんていうセリフが登場します。

これは「頭痛がする」という意味になるのですが、こんな感じの謎の造語がわんさか出てきます。

観た当時、学生だった僕はこのナッドサット言葉を友達と学校で言ったりして楽しんでいましたが、
今思えばかなりイタイですね笑

造語って、中二病の男子にはたまらないと思います。

■インテリア
この映画はすごくヴァイオレンス(R15)なので、社会人になってから見ると中々不愉快になると思います。

そんな方でも楽しめる方法が一つあります。

それは劇中に登場するインテリア

映画の舞台が近未来なので、劇中で使われているインテリアもそれに合わせてデザインしたと思うのですが、これが斬新でカッコイイんです。

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1972年の映画ですが使われているデザインは今見ても楽しいし、この映画に影響されて造られた商品もすごく多いように思います。

まあ、それでも鑑賞はオススメしないです笑

それでは^_^



これまでの連載↓
映画と演奏まとめ



  1. 2018/12/31(月) 17:40:29|
  2. ■映画と演奏season1
  3. | コメント:0

映画と演奏⑨『エタニティ永遠の花たちへ』より"ラグリマ"

2018.9.5
第9回『エタニティ 永遠の花たちへ』より"ラグリマ"



第9回目は『エタニティ 永遠の花たちへ』から"ラグリマ"を紹介します。




「アメリ」で有名なオドレイ・トトゥ出演のフランス、ベルギー合作映画。

この映画、クラシックギター曲がなんと!3曲も出てきます。すごい。



【超あらすじ】
舞台は19世紀末のフランス。

花や緑が美しい邸宅で、ブルジョワの家庭に生まれたヴァランティーヌ(オドレイ・トトゥ)。

やがてヴァランティーヌはジュールと結婚をして6人の子どもたちに恵まれます。

愛に満ちた人生を送っていたヴァランティーヌですが、夫ジュールが急逝。

それでも子供たちの姿の中に宿る夫の存在に心を癒され、家族の愛を感じながら人生を送ります。

しかしほどなくして、双子の息子たちが戦死。

さらに娘のエリザベットが若くして病死。

もう1人の娘のマルゴが修道女になる事を決意して家を出ます。

悲しみにくれていたヴァランティーヌでしたが、息子アンリの結婚を機に再び明るく暖かい大家族に囲まれます。

しかしアンリの妻、マチルドにもまたヴァランティーヌと同じく数々の愛と試練が待ち構えているのでした....



【曲のシーン】
"ラグリマ"は映画の前半でヴァランティーヌの夫が邸宅の庭で奏でます。

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この映画ではラグリマ以外にも、

•舟歌(N.コスト)
•カルカッシの25のエチュードより3番


が登場します。


生粋のクラシックギターの曲が3曲も出てくるなんて相当珍しいです。

しかも演奏会用の曲ではなく、小品。

いずれも家族の団らんのシーンで夫が弾いています。

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どのシーンも生活の一部に音楽が溶け込んでいる感じがして好きです。

日本でも実生活でこういうシーンが増えるといいなと思いますし、
僕自身そういう風にして音楽を楽しみたいと思っています。


その為には数曲暗譜しないとですね、、笑


驚くべきことに、なんと演奏は俳優がちゃんと弾いてます!(多分)

あてぶりじゃないのが凄い。

その為、演奏は特別端正ではないのですが、それが家族の団らんの場面を生々しく見せています。

ラグリマも舟歌もカルカッシも”耳にタコ”というくらいレッスンで登場する練習曲的な位置付けですが、
こうやって映画に使われるだけで、弾く喜びが増しますね。

今練習中の方もぜひ聞いてみてください!

エチュードや勉強の為に弾いている曲でも、生活に落とし込むと違った魅力が生まれますよ!

ちなみにこのギターを弾くという設定は俳優ありきで決まったんですかね??



【演奏】


ラグリマ とはスペイン語で涙の意味。

F.タレガの小品です。

クラシックギターを数年習うと必ず弾く事になる名曲。

作曲家のタレガはスペイン生まれで、代表作にアルハンブラの想い出があります。

今回はD.フォルティアが新たにメロディを加えたちょっと珍しい編曲で弾いてみました^_^



【まとめ】
フランス映画って結構好みが分かれますよね。

個人的にフランス映画の特徴として、以下の要素がある気がします。

・色がビビッド
・画がキレイ
・女性が強い
・ストーリーの起伏が少ない


この映画も漏れなくこの要素を全て含んでいます笑

でも監督のトラン・アン・ユンはベトナム出身、パリ育ちらしいのです。

てっきりコテコテのフランス人監督の映画かと思っていました。


そういう意味では細部にアジア人のフランスに対してのリスペクトが感じられます。

特に映像が本当に綺麗!

まるでモネの絵画を実写化したよう。

これは一見の価値があります!

どうやってああいう光を表現しているんだろう。。。

実際の現場とカメラの中の映像を見比べてみたいです。

その美しい映像と音楽でストーリーが進んでいきます。

この映画、セリフはほとんどないんです。

まるで、休日の昼下がりに画集をパラパラとめくっているような映画です。

人によってはめちゃ退屈かも....^_^;

ギター弾きはぜひ!



  1. 2018/09/05(水) 10:14:05|
  2. ■映画と演奏season1
  3. | コメント:0

映画と演奏⑧『フォー・ザ・ボーイズ』より"In My Life"

2018.8.15
第8回『フォー ザ ボーイズ』より"In My Life"


お久しぶりです^_^
第8回目は『フォー ザ ボーイズ』から"In My Life"を紹介します。

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歌手兼、女優のベット・ミドラーが主演と製作を務めた1991年の映画です。

戦争を背景にしながらもコメディ色を加えたヒューマンドラマ。



【超あらすじ】
ディクシー(ベット・ミドラー)とエディの男女コンビは第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争で軍の慰問活動のトップ・スターとして活躍した。

かつてのスターである2人に全米芸術勲章が贈られテレビ放映される事になったが、当日になりディクシーはそれを辞退。

説得にきたテレビスタッフに、これまでのコンビのいきさつや、戦争で夫と最愛の一人息子を亡くしたこと、エディとの確執について、ディクシーは語り始めるのであった。



【曲のシーン】
"In My Life"は映画の後半、ベトナム戦争の慰問コンサートでベットミドラーが歌います。
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朝鮮戦争で夫を亡くしたディクシーは、この時すでに慰問活動を引退していました。

しかし、エディの強い説得によって半ば強引にベトナム戦争の慰問コンサートが決行するんです。

というのも、ディクシーの最愛の一人息子、ダニーが前線で士官として戦っており、
エディはダニーに会わせる事を口実にディクシーとのコンビを復活させたのでした。

ディクシーは息子のダニーと再会する事はできたものの、ダニーの様子が少しおかしい事に気付き、改めて戦争の怖さや、むなしさを痛感します。
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そんな中、ディクシーは1万人の兵士の前でに”In My Life”をまるで子守唄のように歌うんです。
まさにフォー・ザ・ボーイズというシーン。

まるで寝かしつけられる子供のように"In My Life"に聞き入る兵士達。

”In My Life”を聴いている間だけは戦争の事を忘れ、それぞれの希望に思いを馳せます。
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この時ダニーは独り、少し離れた岩場で母の歌声に耳を傾けているんです。
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ダニーは涙を流すわけでもなく、少し眩しそうに目を数回パチパチとまばたきするんですが、僕はこの演技がすごく好きです。

母の歌声を聴けた喜びや懐かしさ、今自分が置かれている立場の辛さ、悲壮感など全てがこの”まばたき”に表現されているように感じました。

役者ってすごい。

ぜひ映画でで確認してみて下さい!



【演奏】


The Beatlesの名曲です。
今回はスウェーデンのギタリスト、イェラン・セルシェルのアレンジを参考にしつつ、原曲の尺に近づくように少し手を加えてあります。

ベットミドラーの様にバラード風にして、少し遅めのテンポで弾きました^_^



【まとめ】
ビートルズのカバーって正直あまり気に入るものが少ないのですが、このベット・ミドラーの"In My Life"のアレンジは大好きです。

まず、フェンダーローズの伴奏のみという極めてシンプルな楽器構成が良いです。
IMG_9458.png※右側の電子楽器の事


次に、ベットミドラーの歌声に寄り添うように奏でるフェンダーローズの音に無駄が一切無いのがすごい。

音数が少な過ぎず、多過ぎず。
まさに絶妙なんです。

プレイヤー目線からすると、こういう隙間がある伴奏は簡単そうで結構難しいです。

隙間があるとなんだか不安で、どうしても音で埋めたくなっちゃうんですよね。



余談ですが、ビートルズのカバーでもう1曲好きなのがあります。

それはエイミーマンとマイケルペンが歌うTwo Of Usです。

2人は夫婦なのですが、ハモリがすごく心地よいです。

夫婦だという情報を得て聴くと、なんだかほっこりします。

こちらは映画「アイ アム サム」で聴く事ができますので是非!

  1. 2018/08/15(水) 09:54:51|
  2. ■映画と演奏season1
  3. | コメント:0

映画と演奏⑦『ノッティングヒルの恋人』より"She"

2018.2.7
第7回『ノッティングヒルの恋人』より"She"


お久しぶりです^_^
第7回目は『ノッティングヒルの恋人』から"She"を紹介します。
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ヒュー・グラントとジュリア・ロバーツ主演のラブストーリー。
ラブストーリーといっても、
コメディ色があり気楽に楽しめます。


【超あらすじ】
ハンサムだけど冴えないバツイチ男、ウィリアム(ヒュー・グラント)の経営する旅行書専門店に
ハリウッドスターのアナスコット(ジュリア・ロバーツ)がやってくる。
その後、街でウィリアムがアナにオレンジジュースを誤ってかけてしまう事で、
2人の距離はさらに近づき、互いに惹かれ合う。
お互いに愛し愛される存在でありながらも、
事あるごとに様々な事件が起き、
その度にウィリアムは傷つき、2人は離れてしまう。
1年ぶりに撮影でイギリスを訪れたアナは、
再びウィリアムの店に出向き自分の素直な気持ちを伝えるが、、、



【曲のシーン】
"She"は映画のオープニングとエンディングで流れます。
この曲、同じ歌詞なのにオープニングとエンディングでは、
歌詞の意味がまったく違って解釈できるのが面白いです。

オープニングでは手の届かない憧れの女性に対して。
エンディングでは自分の身近な愛する人を讃えて歌ってるように聞こえます。

またエンディングの”She”は、流れるタイミングが絶妙なんです。
イギリスへの滞在期間を聞かれたアナが、
「永遠に」と答えると、コステロの歌う"She"が流れて来て、
そのまま曲の尺で2人のその後が描かれます。IMG_8693.png
幸せな気持ちになれるラストです。



【演奏】


エルビス・コステロver.が有名ですが、
元々はシャルル・アズナブールの作詞作曲。
今回はギタリスト鈴木大介さんの編曲を元に弾きました。



【まとめ】
僕はこの映画、大好きなのですが、
あまりにもストーリーがうまくいきすぎてるんで
「こんなのありえない!」と憤慨する方もいます。

ただ、この点は主人公の2人も劇中で度々、
「超現実的だ」とフォロー?しています(笑)
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普通の女性になりたくて役から逃げ出すアナと、
各場面で役を演じる羽目になるウィリアムが対比で描かれているのも印象的。
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伏線回収も含め、本当によく練られた作品です!!
  1. 2018/02/06(火) 23:47:51|
  2. ■映画と演奏season1
  3. | コメント:0

映画と演奏⑥『思い出のマーニー』より"アルハンブラ宮殿の想い出"

2017.10.24
第6回『思い出のマーニー』より"アルハンブラ宮殿の想い出"


さて、第6回目は『思い出のマーニー』から"アルハンブラ宮殿の想い出"を紹介します。
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言わずもがな2014年のジブリ映画です。



【超あらすじ】
幼い頃に孤児となり養女として育てられた杏奈は、
喘息の療養のため夏休みの間、親戚の家で暮らす事になる。
そこで”湿っ地屋敷”と呼ばれる古い屋敷を見つける。
興味を惹かれた杏奈は屋敷でマーニーという金髪の少女に出会う。
この事を2人だけの秘密にし、すぐに打ち解けた2人は、
段々とお互いの悩みを話すようになり二人が似た境遇だと知る。
そんな中、杏奈はマーニーが怖がる近くのサイロを2人で克服しようと言い出す。
2人でサイロの中に入るが、
途中で嵐に見舞われ、サイロの外に出られなくなる。
2人は気を失うように眠り、
杏奈が目を覚ますとそこにマーニーの姿はなかった。
マーニーとは一体....



【曲のシーン】
マーニーの屋敷で開かれたパーティに、
花売りの少女として顔を出した杏奈。
慣れない華やかな場にすっかり気後れして、
屋敷の外で時間を持て余していた杏奈の元にマーニーがやってきます。
そこでマーニーのリードによって2人が踊ります。
この時、マーニーが口ずさむメロディが”アルハンブラ”なのです。

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ワルツのようにテンポが速くなっていて、
ギターのようなもトレモロではないです。
なので、観てても意外と気づかない方もいるみたいです。
まあ、トレモロで口ずさんでたら興ざめですよね。
「ルルル、、、」て、キツネがやってきそうです。

あんまり言うとネタバレになってしまうので言えませんが、
この”アルハンブラ”のメロディが2人を繋げる鍵となっています。
その辺りは是非映画で確認してみてください^_^



【演奏】

スペインの作曲家F.タレガの作品、”アルハンブラ宮殿の想い出”。
アルハンブラ宮殿はグラナダの丘にそびえ立つ城のこと。
現在は世界遺産。
園内にある噴水の水の玉をイメージしたトレモロ奏法が印象的な一曲です。



【その他のシーン】
杏奈が居候する家の夫婦の雰囲気がすごく好きです。
杏奈の義母とは対照的に描かれていて、放任主義です。
杏奈が初めて家に来て、ハガキを出しに行ってくると2人に告げるシーンで、
夫婦同士で「お菓子食べないの?」という内容の会話をしているのですが、
この時のセリフや、会話の着地点が最高にリアルでほのぼのします。

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【まとめ】
この映画を見て真っ先に思い出したのは、
フィリパ・ピアスの「トムは真夜中の庭で」です。
この本大好きで何回も読んでます。

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詳しい事はネタバレになるので言えませんが、
こちらも是非読んでみてください!





  1. 2017/10/24(火) 00:07:21|
  2. ■映画と演奏season1
  3. | コメント:0
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